2018.11.08 08:31「源泉徴収」されたのに納付されていない!?そんなときの問題例えば30万円の給与について、名目上、10.21%に相当する30,630円が引かれ、269,370円が支払われていた。けれども、支払者が30,630円の源泉徴収税を納税しておらず、源泉徴収票も交付されないというケース。このとき、労働者の課税はどうなるのでしょうか。 我々弁護士は依頼人から報酬の支払いを受ける場合、依頼人が個人でない限り、その金額から源泉徴収された額の支払いを受けることとなります。税法上「源泉徴収」と名の付くものは全て所得税法に定められているのですが、例えば、弁護士報酬の源泉徴収でいうとその根拠条文は、所得税法17条及び204条1項2号となります。 ちなみに、弁護士報酬は「給与」ではないため、源泉徴収はされますが、支払者は源泉徴収票(所得...
2018.05.16 08:30税理士職業賠償責任保険は機能しない?弁護士が業務上のミスで依頼者などに損害を与えてしまったとき、その損害賠償責任を保険金でカバーしようという弁護士賠償責任保険(略称「弁賠保険」)という保険商品があります。全国弁護士協同組合連合会が取り扱う保険商品(引受保険会社は損害保険ジャパン日本興亜)で、1請求ごとの金額(1億円~5億円)と保険期間中の保険金支払上限額(3億円~15億円)でいくつかのグレードに分かれています。弁護士一人当たりの保険料は年額3~6万円程度で、生じるリスクの内容・規模を考えると、それほど高い感じはありません。大多数の弁護士はこの弁護士賠償責任保険に加入していますし、弁護士会の業務の中には「限度額3億円以上の弁護士賠償責任保険に加入していなければならない。」という制約が設けら...
2018.04.29 08:31間違ってしまった確定申告はどうすればいい?4月も終わり、とうとうGWが始まりました。3月15日までに無事に所得税の確定申告が終わり、この時期は、(予想はできていたとはいえ)多額の所得税が口座から引き落とされて打ちひしがれている方もおられるでしょう。確定申告が終わってから経費処理し忘れていた3,000円分の領収証が出てきたり、反対に、現ナマで貰った売上の一部を落としていたり…。どちらもあまり嬉しいものではありません。確定申告の内容が間違っていた!そんなときに租税法規を遵守する理想的な納税義務者として何かとりうる方法はあるのでしょうか?身近なところで、所得税に話を絞って考えてみます。納税義務者自身が確定申告の内容を訂正する方法として、法律が定めているのは、①修正申告(国税通則法19条)、②更正の請...