間違ってしまった確定申告はどうすればいい?

4月も終わり、とうとうGWが始まりました。


3月15日までに無事に所得税の確定申告が終わり、この時期は、(予想はできていたとはいえ)多額の所得税が口座から引き落とされて打ちひしがれている方もおられるでしょう。


確定申告が終わってから経費処理し忘れていた3,000円分の領収証が出てきたり、反対に、現ナマで貰った売上の一部を落としていたり…。


どちらもあまり嬉しいものではありません。


確定申告の内容が間違っていた!そんなときに租税法規を遵守する理想的な納税義務者として何かとりうる方法はあるのでしょうか?身近なところで、所得税に話を絞って考えてみます。


納税義務者自身が確定申告の内容を訂正する方法として、法律が定めているのは、①修正申告(国税通則法19条)、②更正の請求(国税通則法23条1項)の二つの方法です。


修正申告は修正することによって税額が増える場合にとることができる方法です。つまり、好き好んでしたいものではありません。


よくニュースで目にする、大会社や有名人が税務署から申告漏れを指摘され「すでに修正申告を済ませた」と言われるアレです。


これに対し、更正の請求は逆に修正することで税額が減る場合にとることができる方法です。


これは嬉しい。


だって、納める税金が減るんだから。


とはいえ「あとで修正できるんだったら、とりあえず3月15日までにテキトーに申告を済ませておいて、あとから改めたらええんやな」と、そううまくはいきません。


修正申告も更正の請求も認められる場合が条文上かなり限定されていますし、期間制限もあります。(更正の請求が認められるかが争われ、裁判に至るというケースもかなりあります。)


そんなに簡単にあとからの修正を認めたら、そもそも3月15日までに申告せよと期限を切っている意味がなくなりますしね。


また、確定申告の内容が本来収めるべき税額よりも少なかった場合、あとから修正申告しても延滞税(通則60条1項2号)や過少申告加算税(税通65条)の対象になってしまいます。


この二つの掛け率は14.6%、10%と市中金利水準に慣れた身からすれば兇悪なまでに高額です。


うっかりミスでも思いのほか痛いダメージを食らうことがあるので、申告は3月15日までに、かつ、正しい内容で。

Website弁護士中村真

神戸の弁護士・中小企業診断士の中村真(なかむらまこと)は交通事故案件、中小企業支援、事業再生・事業承継、税務争訟、相続案件等に注力しています。