2018.11.15 06:51受傷否認案件において事故発生状況と受傷機転の具体的立証により、受傷の事実が認められ賠償金支払いが得られた事案[40代・男性ドライバー][被害者]40代の男性ドライバーの方。[事故の状況]営業用車両に乗車し、信号待ちのため停車中、居眠り運転の車にノーブレーキで追突され、頚部及び腰部に傷害を負ったというもの。[ご相談・ご依頼の内容]加害者側から「軽微な追突事故であり、追突された際の車両の前方移動も生じておらず(実況見分調書の記載による。)、受傷の可能性がない」として、賠償金の支払いを拒否されている。適正な賠償が得られるよう、交渉してもらいたい。[傷害結果]事故直後より頚部捻挫の診断を受け、約6ヶ月間の通院(及び24日の入院)治療を受けて症状固定に至ったものの、左後頚部、左側頚部~左肩胛部の緊張感、疼痛、圧痛、左肩上腕・前腕~中指・環指・小指のシビレ感(知覚障害)、疼痛による左肩関節の動か...
2018.11.15 02:49脾臓摘出の損害評価について脾臓の解剖と役割脾臓は、成人の場合、ほぼ手拳大の大きさであり、重量80~120gの最大のリンパ組織であって、主に細網内皮の組織としての活動、すなわち血球の産生、細胞や異物の破壊処分等を通じて、血液のフィルターとしての異常赤血球や老化赤血球、その他の異物の除去、血小板の貯蔵器官としての機能を担っているとされる。なお、従来は脾臓は、「摘出(=脾摘ないし摘脾)を行っても、肝、リンパ節、骨髄などの細網内皮系が機能を代償するために、著明な脱落症状は残さず、生命には支障を来さない」とされていたが、その一方で、脾摘後に、明らかな感染巣を認めないのに術後38度前後の発熱が持続することがあり、免疫能の異常に起因すると考えられる旨が指摘されるようになった(特に、4、5歳以...
2018.11.12 12:12平成30年度 近弁連交通事故委員会夏期研修会に出席しました。本日、兵庫県弁護士会で開かれました、近畿弁護士会連合会の交通事故委員会研修会に参加し、兵庫県弁護士会選出の委員として、司会を担当致しました。
2018.11.08 08:31「源泉徴収」されたのに納付されていない!?そんなときの問題例えば30万円の給与について、名目上、10.21%に相当する30,630円が引かれ、269,370円が支払われていた。けれども、支払者が30,630円の源泉徴収税を納税しておらず、源泉徴収票も交付されないというケース。このとき、労働者の課税はどうなるのでしょうか。 我々弁護士は依頼人から報酬の支払いを受ける場合、依頼人が個人でない限り、その金額から源泉徴収された額の支払いを受けることとなります。税法上「源泉徴収」と名の付くものは全て所得税法に定められているのですが、例えば、弁護士報酬の源泉徴収でいうとその根拠条文は、所得税法17条及び204条1項2号となります。 ちなみに、弁護士報酬は「給与」ではないため、源泉徴収はされますが、支払者は源泉徴収票(所得...
2018.11.01 11:00神戸市水道局,交通局,教育委員会の職員の労働組合等の活動における職務専念義務違反に関する第三者調査委員会の委員に任命されました。このたび、神戸市水道局、交通局、教育委員会からの委嘱により、これら部局の労働組合ないし職員団体における職務専念義務免除に関する3つの調査委員会の委員(第三者委員会委員)として調査に当たる選任されました。神戸市のいわゆる「ヤミ専従問題」は既に広く報道されているところであり、既に市長部局の労働組合に関する問題については、第三者委員会が組織され、調査が進められています。そして、このたび、前記三部局についても労働組合、職員団体の職務専念義務違反に関する調査委員会が立ち上げられることとなったものです。今後、私も第三者委員の一名として、同問題の原因究明と再発防止に取り組んで参ります。
2018.10.19 12:54中部弁護士会連合会のシンポジウム「市民が求める民事裁判をめざして〜私たちが今すべきこと〜」にパネリストとして登壇致しました。10月19日にホテルナゴヤキャッスルで開かれたシンポジウム「市民が求める民事裁判をめざして〜私たちが今すべきこと〜」にパネリストとして登壇致しました。
2018.09.25 12:00大阪弁護士会五月会の研修会『民事調停の上手な活用法』にパネリストとして登壇致しました。9月25日(火)、大阪弁護士会で行われた研修会『民事調停の上手な活用法』にパネリストとして登壇しました。私は現に民事調停官(非常勤裁判官)をしている弁護士として呼んでいただきましたが、ほかにも民事調停官経験者や元大阪地方裁判所所長(現大阪調停協会会長)の方も出席されるなど、しっかりと充実した議論がなされました。特に、調停手続利用の際の申立て側、裁判所(調停委員会側)のテクニックや工夫が取り上げられたのは良かったと思います。例えば、・請負代金請求の申立てでも、「代金○○円を支払え」という趣旨の申立てにするのではなく、「請負契約の代金支払いに関して、円満な解決を求める」申立ての形とすることで、相手方の受ける印象をソフトにすることができ、調停による解決がしや...
2018.05.17 08:18ジーンズを履いた弁護士クールビズの浸透によって法廷でもノーネクタイの弁護士を見かけることが多くなりましたが、ビジネスウェアに関して、我々の業界はまだまだ保守的です。お堅い雰囲気や印象が重視されがちな士業では「きっちりしていること」が重要(あるいは重要であるべきだ)という風潮があります。特に裁判では、法廷という権威(裁判官という権威、ではありません。)に対し敬意を表し、礼儀を尽くすべきという共通した意識が実務家の中にあるため、ランニングシャツやサンダル履きの弁護士が弁論をするという場面には今のところ遭遇していません。中にはスーツスタイルにこだわらない破天荒な装いの人もいたりしますが、そういった場合、「狙った逆張り」であることが多く、自然体とは全く違っています。ところが、私企業...
2018.05.16 08:30税理士職業賠償責任保険は機能しない?弁護士が業務上のミスで依頼者などに損害を与えてしまったとき、その損害賠償責任を保険金でカバーしようという弁護士賠償責任保険(略称「弁賠保険」)という保険商品があります。全国弁護士協同組合連合会が取り扱う保険商品(引受保険会社は損害保険ジャパン日本興亜)で、1請求ごとの金額(1億円~5億円)と保険期間中の保険金支払上限額(3億円~15億円)でいくつかのグレードに分かれています。弁護士一人当たりの保険料は年額3~6万円程度で、生じるリスクの内容・規模を考えると、それほど高い感じはありません。大多数の弁護士はこの弁護士賠償責任保険に加入していますし、弁護士会の業務の中には「限度額3億円以上の弁護士賠償責任保険に加入していなければならない。」という制約が設けら...
2018.05.10 08:20株主名簿の重要性中小企業では株主名簿が作成されていないことがよくあります。(これは実は困ることが多いという話。)知らない人も多いのですが、株主名簿は株券を発行する会社か否かにかかわらず、株式会社に作成が義務付けられています(会社法121条)。この株主名簿には①株主の氏名又は名称及び住所(※電話番号やE-mailアドレスは必須ではありません。)、②保有株式数(種類株式発行会社ではその種類と種類毎の数)、③株主が株式を取得した日、④株券発行会社の場合は株券の番号を記載しなければなりません。多くの中小企業は発行株式に譲渡制限が設定されている「閉鎖会社」の形態を取っているので、創業時から株式の譲渡や株主の構成が大きく変更するということはあまりありません。株主総会自体行われてい...
2018.04.29 08:31間違ってしまった確定申告はどうすればいい?4月も終わり、とうとうGWが始まりました。3月15日までに無事に所得税の確定申告が終わり、この時期は、(予想はできていたとはいえ)多額の所得税が口座から引き落とされて打ちひしがれている方もおられるでしょう。確定申告が終わってから経費処理し忘れていた3,000円分の領収証が出てきたり、反対に、現ナマで貰った売上の一部を落としていたり…。どちらもあまり嬉しいものではありません。確定申告の内容が間違っていた!そんなときに租税法規を遵守する理想的な納税義務者として何かとりうる方法はあるのでしょうか?身近なところで、所得税に話を絞って考えてみます。納税義務者自身が確定申告の内容を訂正する方法として、法律が定めているのは、①修正申告(国税通則法19条)、②更正の請...